静岡の農の匠たち

今月はワサビの苗づくりに挑戦する

葵区田端洋昭さん

 

大河内地区で、ワサビ栽培を20aとワサビの苗づくりをしています。
就農2年目の私は北海道出身で、20年近く東京でサラリーマンをしていたある日、「このままで人生を終わらせたくない !」と就農イベントに参加しました。たまたま静岡県のブースでワサビの話を聞き、「がんばる新農業人支援事業」に応募。行政、JA、指導農家からのバックアップを受けることができ、静岡に移住してきました。
研修を経て実際に就農してみると、ワサビの栽培方法は研修先ごと違い、どの方法を採用していくか自分で選んでいかなくてはなりませんでした。その年の気候や山からの水量の違いで、1年と同じ年はありません。専門書を読み、研修を受け栽培理論を学び、ワサビ田ごとの環境にあったやり方を模索しています。とりわけ、苗づくりはどの農家も苦労しています。昨年からは「あおい高原育苗センター」の管理を任され、苗づくりを一手に引き受けています。以前は、時間になるとチューブで潅水していたところ、苗を一つひとつ見ながら手潅水に変更したり、ポットに植える深さを工夫したりと、ハウスとワサビ田の環境が近くなるように調整したら、収量やその後の生長が安定し、供給している農家からの評判が良くなりました。
今後は、ワサビ苗の安定した供給を続けながら、いずれは品評会で賞をとれるワサビを作りたいです。最近では、ワサビの葉をシカが食べるので狩猟免許を取得し鳥獣害の駆除も行っています。個性的でイケてる農業という意味で、昨年取得した「ファンキーわさび」の屋号のように、さらにファンキーに楽しく農業を目指していきたいです。