土づくり
ポイント
今回は、冬の間のひと手間で春からの野菜づくりに差が出る土づくりについてご紹介します。
引き続き、春に向けての準備「土づくり」を紹介します。作付計画を立てたら野菜が元気に育つために必要な「土づくり」をがんばりましょう。
まず、土の状態を調べ、堆肥を入れたりphの調整をしたりしながら根がしっかりと土中に伸び、栄養分や水分を吸収し、地上部を支えられる環境を整えてあげましょう。
よい土とは
- 水はけと通気性がよいこと
- 水もちがよいこと(保水力がある)
- 土の酸度が適正であること
- 肥料分に富むこと
- 病原菌や害虫が少ないこと
1と2は相反する条件ですが、これを満たすのが土の粒子同士がくっつき団子状になった団粒構造です。土に入れた堆肥や腐葉土などの有機物が分解される過程で糊の役割を果たす物質に変化し、粘土や砂粒をくっつけ団粒をつくります。
団粒構造同士は隙間ができるので空気が入りやすく、水はけがよく、団粒内の粒子の細かい隙間に水分や栄養分が保たれます。この構造は永続的なものではないので、作付の合間に土の状態をチェックし、耕したり栄養分を加えたりしながらよい状態を保つようにしましょう。
土の状態をチェックしてみよう
冬のひと手間で春からの野菜作りにぐんと差がつく。
◎堆肥を混ぜ込む
乾燥しやすい砂質土や、水はけも通気性も悪い粘質土は、堆肥を混ぜ込むことで改善できます。
堆肥は有機物なので、土壌中の微生物に分解され、その過程で土の粒子がくっついて団粒化する働きをします。また、堆肥に含まれる繊維分が、土の中に適度な隙間をつくります。大きく分けて動物性と植物性があり、土をフカフカにする効果は植物性、肥料効果が高いのは動物性の堆肥です。土の改良のために堆肥を畑に混ぜ込むのは、土がほどよく乾いているとき、植えつけの1か月くらい前までに行います。
◎石灰を混ぜ込む
土壌pHが低い場合は、土に石灰を混ぜ込みます。作付け前に酸度を調べ、栽培する野菜に適した酸度に調整します。
石灰には無機石灰と有機石灰があります。早く効果を出したいときは無機石灰、ゆっくり効果が出て微量要素の補給も兼ねるなら有機石灰がおすすめです。いずれも畑全面に石灰をまき、鍬で20~30cmの深さまでよく耕します。堆肥と同様、植えつけの1か月くらい前までに行います。
『いちばんよくわかる超図解土と肥料入門』(家の光協会)より