お茶の豆知識

お茶の豆知識

荒 茶

産地の製茶工場で製造された一次産品のお茶です。お茶屋さんは、この荒茶を原料として仕入れ加工し商品として販売しています。

仕上げ

荒茶は形が様々でそのままでは使いにくく、見栄えも悪いため、お茶屋さんでふるい分けしたり切断したりして形を整えます。さらに、再度乾燥させることで、よりお茶の香りを高めます。また、品質を高めるため必要に応じ様々なお茶をブレンドします。これら一連の作業を仕上げと呼びます。

お茶のブレンド

お茶もお米やコーヒーのようにブレンドが行われています。ブレンドする目的は、違う品質のお茶同士を混ぜる事によって、それぞれが持つ特徴を活かし相乗効果によって品質を高めたり、安定させる事です。どのお茶をどの割合で混ぜるのか?この技術は長きに渡り磨き抜かれた経験と感性が必要で、お茶屋さんの腕の見せ所と言えます。また、ブレンドする事を「合組(ごうぐみ)」と呼ぶ事もあります。

摘 採(てきさい)

「摘採」とは、お茶の葉を収穫することです。昔は「手摘み」といって、人の手で1つ1つ摘み取る方法で行っていました。現在でも、特に上級茶を生産する際や、文化保存目的、お祭り事等の際はこの方法で行われる場合もありますが、多大な労力と時間を要することから、現在では機械化が進み、ほとんどの茶園では「摘採機」というバリカンを大きくしたような機械で刈っています。

栽培(お茶の栽培)

昔は種から育てていましたが、品質にムラがあり、時間もかかるため、現在では、成木園から枝をとり、それを植えて根を出し成長させる「挿し木」という方法で繁殖させています。この挿し木は2年程で「苗木」となり一般的には、この状態になってから茶園に定植します。さらに苗木の状態から手間ひま掛けて3~4年するとやっとで葉を収穫できるようになります。茶の経済年齢(収益のある年数)は一般的には20年~30年と言われています。その間、ほぼ毎年2回程度葉を収穫します。

新茶とは?

新茶とはその年の最初に収穫した芽で作ったお茶のことです。「新茶」と「1番茶」は呼び方が違うだけで同じ意味です。以降、次に出てきた芽から順次「2番茶」、「3番茶」となり、秋口に摘まれたものを「秋冬番茶(しゅうとうばんちゃ)」と呼びます。

新茶に甘みが多い理由

お茶の甘み成分はアミノ酸の一種、テアニンと呼ばれる成分によるものです。前の年から栄養を蓄えてきた新茶の芽にはこの成分が多く含まれているので甘いのです。一般的に、このテアニンは2番茶、3番茶となるにつれ減っていく傾向にあり、逆に苦味成分であるカテキンが増えていきます。カテキンは苦味成分ですが、茶の味を決めるのに欠かせない要素であり深い味わいの素となります。健康面への良い影響もこのカテキンに由来したものが殆どです。

なぜ良いお茶はぬるいお湯で入れるとおいしいのか?

上記の旨み成分、テアニンは50℃くらいの湯温でも出てきます。しかし苦味成分であるカテキンは80℃くらいにならないと出てきません。
新茶などの良いお茶を熱いお湯で出してしまうと、甘み成分のテアニンと一緒に苦味成分のカテキンも出てきてしまいせっかくの甘み成分が隠れてしまいます。逆に2番茶、3番茶等は、テアニンは少なく、カテキンが多いので、低い温度で淹れても出てくる成分量が少なく、淡白な味となってしまうので、高温のお湯を用い短時間で淹れることで、カテキンの苦味をサッと出し味わいます。

八十八夜とは?

♪夏も近づく八十八夜~♪ とは立春から88日目の日を「八十八夜」といい、この日に摘みとられたお茶を飲むとその年は無病息災で過ごせると昔からの言われがあります。現在でも新茶シーズンの盛りの日となっています。

お茶の保存方法

お茶は見た目以上に劣化しやすいもので、湿気、光、高温、酸素、臭い(移り香)を嫌います。よって外気に触れないよう完全に密封した容器に低温下で保存することが望まれます。通常お茶屋さんで売られているものは、完全に密封されていますので、他に臭いが強いものが無ければそのまま冷蔵庫(長期保存の場合は冷凍庫)に保存します。ただし、冷蔵庫からの出し入れを繰り返すと、温度差による結露のため吸湿し、品質が落ちてしまいますので、開封後は密封できる容器に入れ、涼しい所で保管し出来るだけ早く飲みます。飲みきるのに時間がかかる場合は、数日間で飲む分だけを取り出し、残りは冷蔵庫で保管します。

茶園にある扇風機みたいなものは何?

茶園に背の高い扇風機みたいなものがあるのに気付いたことがあるでしょうか。
あれは「防霜ファン」と呼ばれるもので、霜による害を防ぐためにあります。茶の樹は春先から新芽を出しますが、新芽は寒さに弱く、霜にあたると凍りつき、その後枯れてしまいます。
防霜ファンは、高い所にある暖かい空気を下方に送ることでお茶が凍りつく被害を防いでいるのです。

茶色が茶色でないのはなぜ?

「茶色」というとどのような色を想像しますか?茶は緑色なのに緑色ではない色、英語で言うブラウンを茶色と呼ぶのはなぜでしょうか?諸説ありますが有力なものとして、昔の人はお茶を布等を染める染料として使用していましたが、染め上がる色は緑色ではなく、現在の茶色のような色だったからという説や、昔飲まれていたお茶が、現在のような緑色の煎茶ではなく、いわゆる番茶のようなもので緑色よりは現在の茶色に近い色だったという説があります。

トレーサビリティとは?

トレーサビリティとは、対象とする物品(とその部品や原材料)の流通履歴を確認できることである。(ウィキペディアフリー百科事典より)

ペットボトルのお茶は色が変わらない?

急須で入れたお茶はすぐに色が変わってしまうのに、ペットボトルのお茶の色が変わり難いのはなぜでしょう?そもそも色が変わるのは、酸化により品質が変化することが主な要因です。ペットボトルのお茶は酸素を除いて密封されているので開ける前は長期間、色は変わりません。また、加工の際、茶本来のビタミンCを増す技術を用いています。ビタミンCは酸素を吸着しやすいため、お茶そのものの酸化を緩やかになり、開封後も色が変わり難いのです。

お茶の子さいさいとは

「お茶の子」とはお茶に添えて出される茶菓子のこと。「さいさい」は、はやし言葉です。茶菓子が腹にたまらない、軽い物であることから、お手軽、簡単な様子を表します。

お茶を濁す

茶道を知らない人が、適当にお茶を濁らせて抹茶に見せた様子から、いいかげんなことを言ったりしてその場をごまかす意味で使われます。

お茶を引く

お茶の葉を引いて抹茶を作るのが、暇な人の役割であったことから、特に用事がなく、暇を持て余している様子を表します。特に、客のつかない遊女や芸者に対し、商売が暇なことを言いました。

前の日に淹れたお茶は飲まない方が良い?

お茶はいれたてが一番おいしいという事です。淹れてから長時間経ったものは酸化が進み品質が劣化するため味が落ちていますし衛生的にもよくありません。